こんにちは、Cocoです。
今日は、ドイツの乳幼児健診について書きたいと思います。
日本の乳幼児健診
日本の母子健康法では1歳半健診、3歳児健診が必須となっています。
体重増加や便の色をチェックするための1か月健診や首据わりの時期である3-4か月健診も多くの自治体では無料券が発行されています。
6-7か月、9-10か月、1歳などでも無料で健診が受けられる自治体もあります。
小太郎は2か月で渡欧したので、3か月健診というものがドイツで果たしてあるのだろうか、と不安に思ったことを覚えています。
ドイツの乳幼児健診
小児科でこんな黄色いノートをもらえます。
健診の時期が書いてあり
U2:生後3-10日(ドイツでは生後2日で退院することが多いらしいのでその後のフォローでしょう)
U3:生後4-5週(日本でいう1か月健診)
U4:3-4か月
U5:6-7か月
U6:10-12か月
U7:21-24か月(2歳)
U7a:34-36か月(3歳)
U8:46-48か月(4歳)
U9:60-64か月(5歳)
となっています。
これだけの回数の健診が無料で受けられるのはありがたいですね。
健診ノートの中身
U1からU5までのページをざっと紹介したいと思います。
U1
U1は妊娠、出産の記録ページです。
これがU1のページですね。
Anamneseは問診票のような感じです。妊娠糖尿病やGBS(G群β溶連菌;膣の常在菌)が陽性など妊娠中の母胎のことについて特記事項があればチェックをいれます。
上から、
糖尿病、妊娠糖尿病、内服薬、妊娠中の急性または慢性感染症、クームス試験(血液型の抗体を見る検査)陽性、膣GBS陽性、多胎妊娠、羊水過多症、羊水過少、特殊な精神ストレス(精神疾患など?)、特殊な社会的負担(貧困など)、薬物乱用
です。
専門的なものもあるので、本来は問診で聞かれてDrが記入するのかもしれません。
その下に赤ちゃんが生まれた日にち、時間、週数、性別、分娩方法(経腟分娩or帝王切開、吸引、鉗子)、児の胎位(頭位、骨盤位、横位)。
生まれた時の血液検査で体のpHとBE(Base excess)というのをはかり、それも記載されます。
その後のページにはアプガースコア(仮死かどうかのスコア)やビタミンKを飲んだか、聴力検査(AABR)の結果などを記載するページが続きます。
U2
日齢3-10で受ける健診です。
Anamnese
現在の子どものこと
最後の健診以降、重篤な病気にかかった。哺乳不良がある。便の色が変(便のカラーチャートあり)。特異な泣き方。先天性股関節脱臼の危険因子。(これは明記されていませんが、詳しくはこの記事で)
家族歴
目の病気(斜視、弱視、遺伝性眼疾患)。先天性難聴または耳の奇形。免疫不全。先天性股関節脱臼。
社会歴→その下に書いてあることはよくわかりません。
U3
1か月健診です。
Anamnese
現在の子どものこと
最後の健診以降、重篤な病気にかかった。哺乳不良がある。便の色が変(便のカラーチャートあり)。特異な泣き方。
家族歴
目の病気(斜視、弱視、遺伝性眼疾患)。先天性難聴または耳の奇形。免疫不全。
社会歴
ケア状況。家族の特別な負担。
運動機能
腹臥位で最低3秒頭を浮かせられる。45度まで追視する。保育者の顔をじっと見る。手は自発的に開くが基本はグーの形。
歌ったり話しかけると落ち着く、大きな音や明るい光に反応する、話しかけると笑う、振り向くなど。
U4
3-4か月健診です。
Anamnese
現在の子どものこと
最後の健診から重篤な病気にかかった。嘔吐や哺乳不良などがある。便の色が変(便のカラーチャートあり)または便秘。特異な泣き方。
社会的なこと
ケア状況。家族の特別な負担。
その下からは運動機能などの評価項目です。
手足を曲げ伸ばしする、座らせたときに最低30秒頭を保持する、腹臥位で最低1分40度から90度頭をあげる。周囲を見渡す。視線があう。など。
U5
Anamnese
現在の子どものこと
最後の健診から重篤な病気にかかった。月齢に見合わない食事内容。便の異常。特異な泣き方。子どもはよく聞こえていますか?(大きな音に反応する、音のなるほうへ頭を向ける)
社会的なこと
ケア状況。家族の特別な負担。
運動機能など
腕を伸ばして掌で支える、ゲーゲーゲー、めんめんめん、でいでいでいなどの言葉を発する、おもちゃを両手でつかみ口に入れる、人見知りをするなど
実際の健診
小太郎はこの前U4の健診を受けたのですが、
身長体重をはかった後に聴診をしてもらい、うつ伏せにされたり、反射をみたりしてくれました。
日本と違ってびっくりしたのは目の検査があったこと。
といっても視力検査ではなく、部屋を暗くしてペンライトのようなもので片目ずつ見ていたので網膜芽細胞腫のスクリーニングかなぁ、と思って見ていました。
もうすぐ歯が生えると思うよ、寝返りももうすぐかな、などと説明を受け、
この時期の子供の特徴や気を付けるべきポイントについてパンフレットをもらいました。
まとめ
ドイツでの乳幼児健診は日本より手厚く心配ないと思います。
予防接種をだいたい打ち終わっているお子さんをお持ちの方も、渡欧したらまずはかかりつけの小児科を探してコンタクトをとってみるのがいいかもしれません。